冠詞で見える景色が変わる、伝わることが変わる
駅を降りたときの感想
Il n'y a même pas de café.
Il n'y a même pas un café.
それぞれの文は何を伝えたいのでしょう?
ヒントは de と un の違いにあります。
pas de の部分だけをよく眺めてみましょう。
なんだか beaucoup de や peu de のような構造に見えてきませんか?
そう、pas de café はカフェさえないよ、という意味なのです。pas de を zéro de に置き換えてみるとなんとなくそんな解釈が成立しますね。
否定しているのは数の情報ではなく「何が」と言う情報なのです。
レストランやら郵便局やら、いろんなお店があると思ったけれど、どこにでも絶対にあるカフェさえなかった…
比較対象は「他のいろんな店」なのです。
一方 pas un café の方は見ておわかりの通り、否定しているのは数の情報 un なのです。「1さえもない」すなわち本当にゼロだと言っているのです。
駅前であれば、普通はカフェが数件はあるだろうに、本当にカフェの一軒もない…
比較対象は、あるはずの「数件の」カフェという数の情報です。
似ているけど違う、違うけど似ている…
うまく使い分けたいものですね。
ご参考まで