un bon ami
une bonne amie
実はこの bon という形容詞は昔流のリエゾンを保っている語なのです。
「次の名詞が母音で始まると鼻母音化を止める」
un bon livre は [bõ livr] と鼻母音を使い発音しますが、un bon ami は [bɔ n’a.mi] とカタカナの「ボ」と大差ない音で発音されるのです。「ボナミ」とカタカナで書くことをぼくでも躊躇しません。
もちろん une bonne amie も [bɔ n’a.mi] です。
複数形にしてみましょう。
un bon ami → de bons amis
[ɛ̃ bɔ n’a.mi] → [də bõ z’a.mi] ←鼻母音が復活し「ザミ」と [za] の音が出てきます。bons ͜ amis ということです。
une bonne amie → de bonnes amies
[yn bɔ n’a.mi] → [də bɔn z’a.mi] ←最後のつづり字 s が [z] の音を作っています。
実は形容詞 premier / dernier も同じなのです。
un premier livre [ɛ̃ prə.mje livr] → de premiers livres[ də prə.mje livr]
un premier ami [ɛ̃ prə.mje ra.mi] ←premier ͜ amiと [r] の音でリエゾンする必要があります。
→ de premiers amis [də prə.mje z’a.mi] ← premiers ͜ amis と s[z]でリエゾンをする必要があります。
「この bon という形容詞は昔流のリエゾンを保っている」と最初に書きましたが、どういうことでしょう?
mon / ton / son などの所有形容詞は、21世紀の現代では鼻母音で発音した後に、改めてリエゾンをするのです。
bon ami [bɔ n’a.mi]
mon ami [mõ n’a mi]
殆ど変わりませんが、このあたりがきっちりできるとネイティブの音に近づきます。まあ「無駄なマニアのこだわり」でしょうがね。
横に並んでいるからといって、必ずリエゾンをしなければいけないわけではありません。
「してはいけないリエゾン」も存在しますよ。
続きは明日です。
A suivre…