所有代名詞 le mien / la mienne / les miens / les miennes
文法参考書では、よくこんな例文によく出くわします。
Ce sont mes enfants. Où sont les tiens ?
Ta voiture est en panne ? Alors tu peux utiliser la mienne.
同じ文や流れで一度出てきた名詞を受けて、「わたしの(〜)は」と、自分と関係しているものに目を向けさせる訳です。
ただどうやら、所有代名詞の理解に多少の誤解があるようです。
直前の名詞そのものを受けるのではなく、その名詞が表している「内容」を受けるのです。
名詞で導入されている「モノの内容」を受けるので、単数形で導入されている名詞がその後で複数形で使われていても、何の問題もありません。逆もまたしかりです。
Ton frère est sympa. Mais LES MIENS sont méchants et bêtes.
あなたの「兄」は導入されただけで、その名詞が単数形で使われているから次も単数形でしか使えない、ということはありません。
よく考えたら、当たり前ですね。後半部分は
mais mes frères sont…
と言えるのですから。
Mes sœurs ne savent pas faire la cuisine alors que LA TIENNE est un cordon-bleu.
ウチの姉ちゃんときたら料理はからっきしだけど、キミんちの姉ちゃんは「玄人はだし」だよね。
この例文も同様に解釈できます。
更に、同じ「内容」を表している名詞であれば、男性名詞↔女性名詞の入れ替えも可能です。
Ta directrice de recherches me parait plus compétente et efficace que le mien.
キミの指導教授は、ぼくの指導教授より優れていて指導がうまそうですね。
これは指示代名詞でも同じです。
Ce stylo ne me plait pas. Ceux-là sont à combien ?
stylo(単数形)が導入された結果、隣りにある ces stylos の言い換えに ceux-là と言えるのですね。
初級文法書には、ネイティブが使っている文法の「ほんの一部」しか記述してありません。
だって「初級文法」ですから。中級文法も上級文法も存在するということです。
「本に書いていないから…」
学習が進んだ段階に置いては、少し印刷物を疑うことも大切かもしれません。
ダメだ、長い...