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今日覚えたい文法

 Plus personne - ne

先日こんな例文を書きました。
Plus personne n’écoute Piaf.
もう誰もピアフを聞かない。

その際にいくつかのお問い合わせがあったのです。
「辞書にそのような例文はありません」
「参考書に記述がありません」
そう、不思議なことにどこにも書かれていないのです。

Personne n’écoute Piaf.
誰もピアフを聞かない。

ここに「今ではもう」を意味する plus を加える時にどこに置けばいいか、という問題ですね。
規範文法というか教科書文法ではこう教えているようです。

ne - plus 「もう〜ない」を表す。
その通りですが、ひとつ記述が抜け落ちています。
「話し言葉においては、主語に personne や rien が使われる場合は plus を併用できる」

ポイントは「話し言葉」です。
主語にポイントを置くのは、文字としてのフランス語ではあまり上手な表現方法ではありません。しかしながら、その禁を自ら犯すことにより、話している時には「最も必要な情報」を最初に出すことができるのです。

Autrefois, Piaf était la chanteuse la plus populaire de France. Mais aujourd’hui, plus personne ne l’écoute.

Depuis que le chef-pâtissier a démissionné, plus rien n’est exceptionnel dans cette pâtisserie. Tous ses gâteaux sont banals.
チーフパティシエが辞めてから、このケーキ屋には何もすごいものはないんだよね。全部がふつう~。

文法書や教科書に書かれていることは一部なのです。そう思って間違いありません。
Comment tu t’appelles ?
Où tu habites ?
この語順を説明してくれる文法書は世の中には存在しないようです。
やはり世の文法書や教科書は「読んだり書いたりするための規範文法」なのです。
話し言葉の文法を「書く」のも変な話ですからね。
まあそういうものです。
ご参考まで