中性代名詞 y の位置
あっ、もう4時45分だ。今日中に図書館に本を返さなきゃ行けないの、忘れていた!
Ouah, il est déjà 4 heures 45. J’avais oublié que je devrai(s) rendre les livres aujourd’hui.
今思い出した(複合過去形)のです。その前は忘れていたのですね(大過去形) 。思い出して、忘れていたことに気づくという、よくあるパターンです。
そうなの?じゃあ今すぐ、本を返しにすぐに行ってきなさいよ。
Ah, bon !? Va(行ってきなさい)の後には
1. les livres
2. tout de suite
3. y(図書館に)
4. rendre
これらの要素が続きます。
どのような語順で並べましょう?少し考えてみましょう。
ここでの最大の問題は y をどの動詞の「行き先/目的地」と考えるかです。図書館に「行く」のか?図書館に本を「返す」のか?
「行く」と捉えた場合は、命令形になっている動詞 Va の直後に y を続けます。その時には「-」を間に挟む必要があります。また [z] という音が欲しいために vas と形を変えます。
Vas-y (そこ=図書館に行きなさい)rendre les livres. でしょうか。
「すぐに」は動詞「行く」にかかることは明白なので、
Vas-y tout de suite rendre les livres. うん、文法的には良さそうです。
でも、ちょっと待てよ?
図書館に「行く」というよりはむしろ、図書館に本を「返す」ためにそこに向かうのですよね。rendre les livres à la bibliothèque ということは、y は動詞 rendre の近くに置いてやるほうが理にかなっています。
代名詞は意味関係が強い動詞の直前に置くのがルールなので、次のように考えてみましょう。
Va tout de suite y rendre les livres.
更に良さそうです。
ただ個人的には、動詞を aller ではなく partir にしたくなります。日本語は「行く」ですが、伝えたいのは図書館へ移動しなさいということよりも、「今すぐ出発しなさい」ということですよね。ということは…
Pars tout de suite y rendre les livres.
やった、これが一番落ち着きます。
ちなみに les livres を代名詞化すると
Pars tout de suite les y rendre. となります。
文法的には非の打ち所はありませんが、やりすぎで不自然に感じてしまいます。
「文法的に正しい」のと「自然である」のは別問題です。
作られた正しい会話ではなく、自然な会話を聞いて感覚を養うしか方法はなさそうです。