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今日覚えたい文法

時制をいじってみると…

Le jour où je suis né, mon père était parti en voyage d’affaires à Tokyo.
私が生まれた日は、父は東京へ出張でいなかった。


昨日書いたように、過去分詞を形容詞と考えて上の訳のように解釈する方が自然です。
詳しくは昨日の記事を参考にしてください。

動詞 partir の時制を変えて遊んでみましょう。


Le jour où je suis né, mon père est parti en voyage d’affaires à Tokyo.
私が生まれた日に、父は東京出張へと旅立った。

生まれたばかりの「わたし」を目にしたかどうかは明らかではありませんが、少なくとも父も同じ町にいて、出産したばかりの母に感謝の意を述べている可能性は高いですね。
屁理屈をこねれば、同日であっても出張が先だと言うことが可能です。今日は扱いません。

複合過去形は登場した順番で物事が展開して行くのです。「紙芝居」と書こうと思いましたが若い読者のために、書き方を変えます。
「本のページ」をめくるように1つ1つ場面が変わって物事が進んで行くのです。

まずわたしが誕生し、次に父が旅立った、と言うわけです。


Le jour où je suis né, mon père partait en voyage d’affaires à Tokyo.
わたしが生まれた日に、父は出張に行くところだった、行こうとしていた。

見方を変えれば、出張に行く(家を出る、会社を出る、駅にいる…)という行為が進もうとしているタイミング(過去におけるその時=過去における現在)でわたしが誕生したのです。

その後で、予定通り出張へ行ったのか、予定を変更して母の元に駆けつけたのかは、この一文ではわからないのです。
et や mais に後続する文が説明するはずです。


Le jour où je suis né, mon père partirait en voyage d’affaires à Tokyo.
私が生まれた日に、父は東京へ出張に行く予定であった、行くことになっていた。

過去未来形(条件法現在形)を使うと、半過去形と比べてより「未来」を意識させられます。
生まれた日という過去の基準点を作って、父はその後の「未来」時間のどこかで出張に行く予定だったのです。その日なのか数日後なのかは、これだけの情報ではわかりませんね。


Le jour où je suis né, mon père serait parti en voyage d’affaires à Tokyo.
私が生まれた日に、父は東京へ出張に行ったようだ。

条件法複合形(=過去形)には行為の完了の推量・推測、という意味を含ませることが可能です。事実ではなく「事実であるように」語るわけです。


直説法現在形、単純未来形、前未来形は、まず使うことができません。
これらの時制は「現在時制」に所属をしているのです。語っている時の基準点が「今」なのです。Le jour ou je suis né と言った瞬間に、基準点は「過去」ですからね。


最後に「近接未来形」はここでは扱いません。
個人的には近接未来形は時制ではなく、動詞 aller の熟語的な用法だと考えるからです。