主語代名詞 "on" の使い方
何かと便利な主語代名詞 on ですが、使い方をまとめてみましょう。nous の代わりだけで使っているのはもったいないですよ。
まず結論を書きます。
「on はカメレオンです」
1. nous の代わり
これには前提が必要です。
場面の中で、nous の代わりに on を使うということを示しておく必要があるのです。突然 On est... と言ってもどの on の用法なのか、on は何を指しているのかがわからないのです。
例えば、Nous, on est と言うだけで OK ですし、そこにいいるメンバー全員が関わっているんだよというジェスチャーをするだけでもいいですし、目配せでもいいのです。
2. 「誰か」
特に主語を立てる必要はないけれど、フランス語の構造上、主語を建てざるを得ない時に on を用います。特に「誰が」ということを話題にしているわけではなく、感覚的には「受動態」にしたいのです。
Tu as entendu ? On a frappé à la porte.
聞こえた?ドアがノックされたよ。
Michel, on te demande à l'accueil.
ミッシェル、受付で面会だって。
3. 「人々は」
いろいろな理解ができる用法です。
本当に世間の人なのか、限定された「人々」なのかは場面で決まります。
On dit qu'il va démissionner.
彼が退社をするって「みんな」言っています。
=彼が退社をするらしいです。
On m'a appelé du matin au soir.
朝から晩まで電話が鳴りっぱなしだったよ。
4. これは用法 3. に入れてもいいのかもしれません。
場所を限定することにより、「そこに所属をする人たち」を指すことができるのです。
En France, on parle français.
En Belgique, on parle néerlandais, français et allemand.
Ici on parle français. = French spoken.
カフェなどの入口に書いてある「フランス語話せます」という用法です。
5. その他
tu になったり vous になったり、時には je になったりもします。
(嫌なことがあって「ワーッ」と叫んだ後に冷静さを取り戻し)
Ça va ça va. On se calme...
自分に向かって「落ち着け」と言っているわけです。
どの用法であっても、動詞の活用は「3人称単数」なので、楽ちんですよね。
カメレオン on、恐るべしです。